REPORT

2025.08.07

スーパー耐久レース Rd.3 富士スピードウェイ戦報告

RACE

■レース活動
5月30日予選 コースコンディション:ドライ
5月31日決勝(24時間レース) コースコンディション:ウェット→ドライ

5月30日~6月1日、スーパー耐久2025 Rd.3 FUJI 24時間レースが開催され、過去最多の10クラス60台が参加した。24時間耐久という最も過酷なレースになるため、今大会のみドライバーの登録が1台につき2名追加の合計6名まで可能になる。25号車はロニークインタレッリ選手、柳田真孝監督の2名をドライバーとして登録。松田選手も含めスーパーGTでチャンピオンを獲得したコンビがタッグを組むドリームチームとなった。26号車は今大会不参加の荒選手に代わり他カテゴリーでも活躍をしているイゴールオオムラフラガ選手をDドライバーとして登録。この2台のドライバーラインナップはSNSで38万回表示と大きな反響を呼んだ。

今大会もAドライバーとBドライバーの合算タイムで予選順位が決まるタイム合算方式での予選となった。Aドライバー予選は25号車を田中選手が担当しクラス5番手を記録。26号車は大塚選手が担当し3番手を記録した。
今回、前大会までCドライバー登録をしていた若手選手をBドライバーとして起用。Bドライバー予選を25号車は名取選手が担当した。期待通りの速さでコースレコードを叩き出し、25号車はポールポジションを獲得。26号車は篠原選手が担当したがマシンセットがうまく嚙み合わず6番手からのスタートとなった。

決勝日、15時のスタート直前激しい雷雨に襲われ、スタートが1時間遅延。レース終了時間は変わらず、走行時間が23時間の耐久レースとなった。
25号車のスタートはDドライバーの佐藤選手が担当。26号車のスタートはCドライバーの富田選手がステアリングを握った。レース開始後25号車は20号車に先行を許すも差を大きく開かれることなく追走し、交代した松田選手がオーバーテイクのチャンスを伺いながら走行。一方26号車は富田選手の猛追により順位を上げ4番手で篠原選手へとドライバーを交代した。この1回目のピットインにて、2台ともにドライタイヤに変更。2台揃ってトップ争いをしながら夜間走行へと順調に車を走らせた。

その後25号車はロニー選手、そして名取選手へとバトンタッチ。16時のレース開始から6時間後の22時頃、25号車は2位と1ラップ差をつけてトップを快走。26号車は、3番手で大塚選手からイゴール選手へと繋いだ。またその間コース上は煙のような霧の影響による視界不良でSCが導入されていた。その後SCは解除されたが、夜間は濃霧や車両トラブルにより度々SCが導入される荒れた展開になった。25号車は23時頃に10分間のメンテナンスタイムを消化し佐藤選手へ交代。その間に26号車をドライブするイゴール選手がST-Zクラストップに浮上。順調に走行を続けていた2台だったが、深夜1時頃、富田選手へドライバーを交代したばかりのトップを走る26号車が、他クラスの車両に後ろから追突され壁に激突。修復不可能なほどの大きなダメージを負い無念のリタイヤとなった。ドライバーの富田選手に怪我は無く、すぐに無線での応答があったことは不幸中の幸いだった。

クラッシュによるコース修復作業のため赤旗が掲示され、レースは約40分間中断した後リスタートとなった。
深夜3時頃再び濃霧によりSCが導入され、クラストップを走行していた22号車がメンテナンスタイムを消化。このタイミングで25号車名取選手がトップへ浮上した。夜間は若手の名取選手と佐藤選手が走行を担当。首位を守り抜き、24時間レースの折り返しである早朝4時半頃に2位の52号車と2ラップ差をつけてジェントルマンドライバーの田中選手へと交代した。この間も霧はますます濃くなり、レースは午前4時45分から7時30分まで赤旗中断となった。リスタートはジェントルマンドライバー田中選手がハンドルを握り、2番手を走る52号車の猛追により1ラップ差まで詰められるも無事に1時間30分を走り切った。その後田中選手と交代した松田選手はトップドライバーの早さを見せつける走りでギャップを広げていく。

Aドライバーの最低義務運転時間をクリアするため再び田中選手へと交代した後、佐藤選手へと繋いだ。ライバル52号車とのラップ差は縮まりつつあったが、佐藤選手は着実な走りで首位を守り切り、この長いレースのラストを飾る名取選手へとドライバーを交代した。名取選手は順調に周回を重ね、チームの皆が見守る中、クラストップでチェッカーを受けた。

TEAM ZEROONE発足4年目にして国内唯一の24時間レースを制覇した。通常のレースとは違い、よりチームの総合力が問われる24時間レースの初完走、初優勝はチームとしても格別の喜びとなった。

■日産メカニックチャレンジ活動
1.ピット活動
富士24Hレースには、日産販売会社メカニック(TS)11名が参加。また学生は日産横浜自動車大学校26名が参加した。26名の学生が8グループを編成し、ピット作業、ゲストエリアをローテーションで担当する方式は、現在は横浜校だけの取り組みとなっている。
24Hを無事に走り続けるためのメンテナンスが行われ、ブレーキローター、パッドだけでなく、ドライブシャフト、ハブボルト交換など、かなり広範囲なメンテナンスが行われ、学生、TSは積極的に作業を行っていた。24Hレースではあるが、TS、学生は夜は宿泊施設で休養をとってもらう事としている。しかし、TS、学生からは日曜日は出来るだけ早くサーキットに入りたい、と積極的な声が多く聞かれた。すでにチームの一員としての意識になっていると感じた。
26号車は夜中の1時過ぎに大きなクラッシュとなり、無念のリタイアとなったが、26号車担当のTS,学生は26号車の後片づけ、25号車のサポートを積極的に行っていた。

2.マックメカニクスツールズ特別講習
恒例となっているマックメカニクスツールズ特別講習会を実施。学生26名全員が参加した。「正しい工具の使い方」をベースに講習を行って頂いた。講習終了後も多くの学生が質問を行い、講習の内容及び工具に対する学生の関心の高さを強く感じた。こうして特別講習を実施していただいているパートナー企業はじめ各社に日産メカニックチャレンジは支えられている。

3.他チーム見学
【#12、#55、#120 MAZDA SPIRIT RACING様】
ST-Qクラスに2台、ST-5クラスに1台参戦するMAZDA SPIRIT RACING様を見学させていただいた。カーボンニュートラル燃料の実証や将来のスポーツカー開発に向けて技術を磨くMAZDAとチームの志をご紹介いただいた。普段聞くことの出来ない他メーカーの取り組みについての話は学生には非常に興味深かったようで、熱心に耳を傾けていた。
【#884、#885 SHADE RACING様】
ST-ZクラスとST-4クラスに参戦するSHADE RACING様を見学させていただいた。2つのクラスに2車種の車両で参戦しているため、マシンの特色の違いなどが多く質問に上がった。また、SHADE RACING様に就職をした参加学校の卒業生から話を聞くことができた。レースメカニックに興味のある学生も多く、実際にレースメカニックになって大変なことややりがいを感じることなどを聞いていた。

■ゲストエリア
1.お客さまへのおもてなし
今回は富士戦において3Fテラス席をゲストエリアとして用意し、お客さまをお招きした。お客さま対応はゼロワンスタッフに加え、横浜校学生がローテーションで対応し、きめ細かなおもてなしを目指した。学生たちには、お客さまとのコミュニケーションを通じて、個別の温かいおもてなしをするよう、働きかけを行った。人財育成プログラムである「日産メカニックチャレンジ」はピット作業だけではなく、お客さま対応からも学べることが多く存在し、学生たちは緊張しながらもお客さまとの会話を通じてたくさんのことを学んだ。
また、決勝前には柳田監督、ドライバーによる挨拶が行われた。全員から24Hレースにかける熱い意気込みが聞かれた。また、参加したTSも挨拶を行い、その後自らの販売会社席で懇談を行い、上司、同僚からの激励を受けていた。

2.留学生奨学金対象学生とラフィーネ様との懇談
ゼロワンメインパートナーであるラフィーネ様が設けている「留学生奨学金」の受給者3名(ミャンマー)とラフィーネ・インターナショナル 小川専務、家嶋取締役との懇談が行われた。3名の留学生は経済状況が厳しい中、アルバイトを行いながら整備士の資格取得のために頑張っており、奨学金に対するお礼を伝えていた。小川専務からは、これからもしっかりと学んでいただき、立派な整備士となって欲しい、と励ましの言葉があった。

■S耐横丁
イベント広場のS耐横丁ブース出展を行った。準備日は悪天候のため設営は苦労したが、土曜日、日曜日は天気も回復し多くのお客さまにいらしていただいた。人気のトミカに加え、Tシャツやキャップなどをお買い上げいただいたお客さまも多く、S耐ファン、ゼロワンファンに方々に喜んでいただけた。

以上
TEAM ZEROONE