2023.06.20
スーパー耐久レース Rd2 富士スピードウェイ戦報告
RACE
TEAM ZEROONE 初の2台体制で過酷な24時間レースにチャレンジ 2台揃って完走を果たす
5月26日~28日、スーパー耐久2023Rd.2富士24Hレースが、8クラス52台が参戦し国内唯一の24時間レースとして富士スピードウェイで開催された。コロナ環境の節目を迎え、年々人気が高まる24時間レースの今回の大会総入場者数は47,000人を記録した。
また、日産メカニックチャレンジとしての活動は、日産横浜自動車大学校から34名、日産販売会社のテクニカルスタッフ(TS)は7名が参加し、新型Nissan Z GT4とZ34の2台のレースカーに関わる作業に加え、充実したゲストエリア運営に取り組んだ。そして今大会から全チーム初のブリヂストンタイヤによる大会となった。
■予選
5/26(金)コースコンディション:ドライ
25号車は、レギュラーの松田次生選手がST-Qクラス参戦のNISMOチーム230号車Nissan Z Racing Conceptをドライブするため、チームには2004年ル・マン24時間耐久レースを制した耐久レースのスペシャリスト荒聖治選手が加入。さらに、Eドライバーには松井宏太選手を迎え強力な布陣で臨んだ。予選は決勝レースを見据えたセッティングと、新たなブリヂストンタイヤとのマッチングを図る走行で5番手となった。
26号車には、Nissan Z GT4の開発も兼ねて、EドライバーにTEAM ZEROONEゼネラルアドバイザーの柳田真孝選手を起用した。26号車も24時間を想定したセットアップで予選5番手となった。
■決勝
5/27(土)-28(日)コースコンディション:ドライ
全クラス全参加車両が初のブリヂストンタイヤを装着し決勝レースは24時間で争われた。25号車、26号車共に24時間後のゴールを目指してのセットアップ、各車5人のドライバーの連携、車両に関する24時間レースを想定した走行方法を徹底してスタートした。
レース序盤、25号車のスタートドライバーの荒選手は最終コーナー入口で他車のスピンを回避しようとしたところ、後続のST-3クラス車両に接触され、右リヤが大きく破損し緊急ピットイン。その後、チームは応急処置を施し25号車は再びレースに復帰し、幸いにもトラブルなく順調に走行を続けた。
26号車は、GT4のストレートスピードの速さ及び26号車のドライバー富田・名取・篠原・柳田・大塚のトップドライバーたちの連携で順調に順位を上げ、2位までポジションアップ。24時間レースは夜間走行時間帯を無事にクリアすることが重要なポイントとなるが、TEAM ZEROONEの2台のZは、24時間後のゴールを目指し走行を続けたが早朝26号車はAドライバー大塚選手の走行中ST-5クラスとBコーナー立ち上がりで接触。右リヤタイヤに大きくダメージを受け、緊急ピットインとなった。チームメカニックの懸命な作業とNISMOスタッフのサポートで、長時間の作業の末、コースに復帰する事が出来ゴールを目指した。
一方、25号車はチームが設定した走行タイムを各ドライバーが守り走行を続けたが、Aドライバー西村選手がドライブ中、チームの作業ミスが発生し、さらに無線トラブルが重なりピットストップを余儀なくされた。
TEAM ZEROONEの2台のZによる初の24時間レースチャレンジは2台共に完走し、25号車は5位、26号車は9位という結果となった。
24時間レースのゴールには、クラスや順位を問わず、24時間走り切った全てのドライバー、マシン、チームに感動のゴールがあり会場からエールが送られた。24時間共に戦ったチームのメンバーはじめ、日産メカニックチャレンジに参加した日産自動車大学校の学生、日産販売会社のテクニカルスタッフが見守る中、2台のZは隊列を整えゴールを迎えた。
(柳田真孝選手兼チームゼネラルアドバイザーコメント)
24時間レースは、当然レースの距離が長いので、マシントラブル、アクシデントは付き物です。
マシンを操るドライバー間でもトラブルを防ぐためのドライビングに集中していましたが、実際アクシデントは起きてしまいました。マシンが走らない事は、目先のチームの結果にとっては大きな損失になってしまいます。
しかし、日産自動車大学校の学生の皆様、日産販売会社テクニカルスタッフの皆様にとっては、生のレースの現場でレースメカニック・チーム・仲間と、トラブルやアクシデントを共有、体験できた事は、教科書やマニュアルでは得られない実践的な経験であり、成長と結束力を高めることに繋がったので、皆さんの大きな財産となったのではないでしょうか。
これはチームや日産メカニックチャレンジにとっても財産です。アクシデントが発生した場合でも、それを乗り越えるためにチームとして協力し、知識やスキルを活かして解決策を見つけたことは、大いなる成果です。
そして、当初の目標の2台のマシンが完走する事が出来た事は、チーム全員の力と協力の賜物だと思いました。次回以降もチーム全員で力を合わせてさらなる素晴らしい成果を目指して頑張ります!
(荒選手コメント)
スーパー耐久2023第3戦、富⼠24時間レースにチームゼロワンのドライバーとして参加することができたのを、とても嬉しく思っています。
結果は悔しい順位となってしまいましたが、⽇産メカニックチャレンジのプロジェクトとしてこのレースに参加してくれていた⽇産⾃動⾞⼤学校の学⽣や販売会社のテクニカルスタッフの皆さんと⼀緒に仕事ができた事で、チーム全員が⼀体となって作り上げる素晴らしさを感じることができました。レース実戦から受ける刺激や緊張感の中で、真剣な表情で仕事をする姿を⾒て、我々ドライバーのモチベーションも⾼くなりました。
皆さんと⼀緒に24時間レースを完⾛できたことを感謝しています。有難うございました。また⼀緒に戦えることを楽しみにしています。
■日産メカニックチャレンジ活動
34名の学生は6グループに分かれ、「ピット作業」「パドック裏テント対応」「クリスタルルーム対応」を担当。ローテーションを組み、様々な領域の経験を積むことが出来た。また、他チーム見学、ドライバーとの交流会、パートナー企業の特別講習等を通じて、幅広い知見を習得することが出来、モータースポーツの魅力を感じることが出来た。また、7名のTSはチームの一員として車両整備の作業を行い、さらには学生への指導も行っていた。学生、TS共にとても高いモチベーションを持って活動に参加していた。
- ピット活動
- ゲストエリア活動
- チームドライバーとの交流会
- マックメカニクスツールズ特別講習
- 他チーム見学:1号車 HELM MOTORSPORTS
- 他チーム見学:20号車 TEAM IMPUL
- 他チーム見学:22号車 Porsche Team EBI WAIMARAMA
- 他チーム見学:52号車 埼玉トヨペット Green Brave
- 他チーム見学:230号車 NISMO
- ハンコックタイヤサービスチーム見学
- 日産NISMOカスタマーサポートトレーラー見学
■ゲストエリア
ゲストエリアには予選、決勝の3日間、総数150名以上が25号車・26号車の応援にサーキットを訪れた。
今回はクリスタルルーム(収容人数100名)、ピット裏テント(収容人数40名)の二つの拠点をゲストエリアとして運用した。日産校学生がローテーションを組みゲストエリアの対応を行った。
土曜日のお昼時は一時混みあったが効率よく運用した。クリスタルルームでは、TEAM ZEROONEパートナー企業である『ディーフ』、『マックメカニクスツールズ』、『日産・NISMOグッズ』の商品を展示し、商品の魅力を来場されたお客様にアピールした。また、決勝レーススタート前にはチーム代表、監督、ドライバーがゲストエリアを訪れ、決勝レースに向けた意気込みをお客様の前で話す機会を設け、来場されたお客様との一体感を醸成し、チームとしての意識を高揚させた。
また、日産メカニックチャレンジ(S耐)の認知度向上のため静岡放送SBSラジオ主催YouTube生配信を行った。番組では、ドライバーの柳田選手、佐藤選手に加え、日産自動車大学校 本廣学長、日産横浜自動車大学校 市橋校長にも出演頂き、本活動が学生育成に与える意義を語って頂いた。
【静岡放送SBSラジオ主催YouTube生配信】
■次戦に向けて
開発途上の26号車は開幕戦2位表彰台、24時間レースもレース途中まで2位走行という高いポテンシャルを示す事が出来、次戦SUGO戦ではST-3クラスの出場がない為、チームは26号車に集中し、チーム一丸となって表彰台を目指す。次戦は、日産栃木自動車大学校の学生と日産販売会社のテクニカルスタッフをチームの一員として迎えます。
以上
TEAM ZEROONE