REPORT

2023.03.24

スーパー耐久レース Rd1 鈴鹿サーキット戦報告

RACE

新型NissanZ GT4 激戦のST-Zクラスデビューレースで表彰台に上がる

3月18日・19日、スーパー耐久2023開幕戦が、8クラス54台が参戦し5時間レースとして鈴鹿サーキットで開催された。

今年2年目となる日産メカニックチャレンジ・チームゼロワンは初の2台体制で新型NissanZ GT4の「パイロットカスタマーチーム」としてニスモと共にGT4マシンの開発を担い参戦するシーズンとなった。ST-3クラスの25号車「raffinée 日産メカニックチャレンジ Z」は、レースウィークを通して電気関係トラブルに見舞われながらも完走。今年度がデビュー戦となる新型NissanZ GT4 26号車「raffinée 日産メカニックチャレンジ Z GT4」は激戦のST-Zクラスで、荒れたレース展開となった5時間レースを的確なレースマネジメントで対応、新型NissanZ GT4の初レースで2位表彰台を獲得した。

また日産メカニックチャレンジとしての活動は、日産愛知自動車大学校から8名、日産京都自動車大学校から8名、計16名の学生が参加した。また、日産販売会社メカニック(TS)は次戦より参加の予定。

■予選

3/18(土)

2023シーズンのTEAM ZEROONEは日産Zの2台体制、25号車には日産GT500のトップドライバーである松田次生選手を中心に西村選手、佐藤選手、藤原選手のラインナップで、また新型日産Z GT4の26号車には2022年S耐GT4チャンピオンである大塚選手、GT300で活躍する富田選手、名取選手、篠原選手の強力な布陣となった。

ドライコンディションでスタートした予選は、25号車はストレートスピードがライバル勢に対して厳しい状況の中、更にエンジントラブルが発生、結果予選5位となった。また開発途上の26号車新型NissanZ GT4のストレートスピードは高く、予選3番手となった。

■決勝

3/19(日)

決勝レースは5時間で争われた。開幕戦は市販車に最も近いレースマシンによる8クラス54台の激しい争いとなり、FCY(フルコースイエロー)3回、SC(セイフティーカー)2回の荒れた展開となった。

25号車は電気系トラブルを抱えながらの走行を強いられ、クラス5位の不完全燃焼のレースとなった。一方、新型日産Z GT4の26号車は、大塚選手の速いペースを活かし、荒れたレースの中ピットタイミングも良く、レースマネジメントも成功しレース終盤に2位に浮上した。

決勝レースは最終的にはシケインでの他車の大きなクラッシュが原因で赤旗中断となってしまった。レースの規則上、26号車の前を走る52号車スープラはドライバー交代をしなければならない状況であったため、レースが続行されていたら新型NissanZ GT4はデビューウィンを達成した可能性が高かったが結果的に26号車は2位表彰台を獲得した。

(柳田真孝チームゼネラルマネージャーコメント)

初の2台体制での開幕戦をクリアできて良かった。25号車はトラブルの解決策を見つけてクリアしていきたい。また26号車はチーム皆で協力して戦って、目標だった完走を達成できて良かったし、表彰台がついてきたのがさらに良かったです。またうちのチームは日産メカニックチャレンジのプログラムを実施しているので、日産自動車大学校の学生や、パートナー企業の皆さんが喜んでいる姿を見られたのがとても嬉しかったです。次のRd2富士24Hレースは一番過酷なレースですが、いかにゴールまで2台のZを導けるかがポイントになります。チーム一丸となって準備から気持ちを引き締めていきたいと思います。

■日産メカニックチャレンジ活動

今回の日産メカニックチャレンジは、日産校学生 16名が参加し、以下の活動を実施した。

  1. ピット活動
  2. チームドライバーとの交流会
  3. マックメカニクスツールズ特別講習
  4. 他チーム見学:500号車 TEAM 5ZIGEN
  5. 他チーム見学:20号車 TEAM IMPUL
  6. ハンコックタイヤサービスチーム見学

レース車両が市販車ベースであるため、学生たちは日常の授業で学んだことを十分に発揮し、広い範囲で整備を担当した。プロメカニックにも積極的に質問を行い、生きた授業を体験することも出来た。また、パートナー企業特別講義、他チーム訪問を通じてサーキットでしか学べない多くの知識を習得した。

■ゲストエリア

ゲストエリアには予選、決勝の二日間、総数50名以上が25号車・26号車の応援にサーキットを訪れた。今回はチームオフィスを借りず、ピット裏のテント(6×3)2張りをホスピタリティエリアとして運用した。8テーブル、計32名の席を設置し、効率よく沢山のゲストの方々にご活用いただけた。

また、付帯企画として、昨シーズン同様、日産メカニックチャレンジの活動及び日産自動車大学校の認知度向上を主目的に、メインパートナーとチームの共同企画で三重テレビの特別番組の配信・収録も行われた。チームオフィスをスタジオとして使用、三重テレビのYouTubeライブ配信を実施。今回は日産GT500 23号車ドライバーであるロニー・クインタレッリ氏がMCを務め、チームメートである松田次生選手との掛け合いなどを通じ、日産の人材育成モータースポーツ活動とメディア活用の連動を実践した。

■次戦に向けて

Rd1鈴鹿戦は、25号車については課題を残しているが、26号車はデビュー戦2位表彰台を獲得した。次戦はRd2富士24Hレースとなるため、チームとして万全の準備を整えていきたい。2022年、人財育成プログラムである日産メカニックチャレンジはS耐に活動領域を拡大し、1シーズンを終えた。2023年は、NissanZ GT4を加え2台体制として活動のさらなる拡大を図り、日産自動車大学校学生及び販売会社TSを迎え、プロメカニックの指導の元、安全管理を最優先として上で、しっかりとした育成活動を実施していきたい。

『モータースポーツは人を育てる』を基本ポリシーとし、TEAM ZEROONEは2023シーズンをスタートする。